コントラストの原理、人間はある判断をするとき、必ず何かと比較するという心理を利用して最初に提案したものよりもそのあとに提案したものが魅力的に見えるように提案をすることを言います。コントラストとはデザインなど芸術分野で用いられることが多い言葉で、色や輝度の差のことを表します。この差という意味をとって、人間は絶対的価値ではなく相対的な価値に反応することを利用した原理になっています。
コントラストの原理をマーケティングに活用する
コントラストの原理について例を示すと、同じ用途の商品で5000円のものと3000円のものがあったとします。その商品に伴う機能やブランド等は考慮せず、価格だけでどちらの商品を選ぶかとなったときにおおよそは3000円のものを選択すると思います。ですが、5000円のものに『今だけ、定価10000円の50%オフ』といった文言がついていると元の価格との差異によって5000円のものを購入する人が増えるのです。
また、別の例を挙げると車を購入するときに車本体が150万程度の価格だったとします。販売する側は様々なオプションを勧めてきますが、本体のみで150万の購入を決めているため、例えば単体で10万円するカーナビをオプションで進められても本体価格と比較して安価に感じるためオプションも購入してしまうのです。
コントラストの原理は価格への応用だけに限らず、先に本命よりも質の低い商品を提示して後に本命の商品を提示することでより本命の商品がよく見えるようになるという手法もあります。営業においても、最初におそらく断られるであろう誇大な条件を提示した後に本当に頼みたかったことを提示すると受け入れられやすいというようなテクニックもコントラストの原理の応用になります。