Web広告の中でも急速に整備され、広く知られるようになったSNS広告。セルフ出稿で自分のやりたいように進めていけるほか、数万円の少額から掲載可能なのはとても魅力的ですよね。そんなSNS広告を始める前に、やっておきたいことをいくつかご紹介します。
この記事の目次(クリックで項目へジャンプします)
SNS広告について
そもそもSNS広告とは具体的に何を指すのか?
SNS広告とは
まずSNSは、Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス/サイト)の略称。ほとんどが無料で利用できる、Web上で社会的ネットワークを構築できるサービスです。
そしてその各サービス内に掲出する広告のことをSNS広告としています。ここでご紹介するSNSは以下になります。
- LINE
※Twitterは利用者の多くがSNSと認識しておりメディアなどでもSNSとして挙げられますが、Twitter側ではSNSと主張していないそうです。
参考:wikipedia
始める前にやっておきたいこと
SNS広告を始める前にやっておきたいこと、確認しておきたいことがいくつかあります。
アカウント開設
原則、SNSに限らずGoogleやYahoo!のリスティング広告でも必須ですが、出稿するサービスのアカウント・広告アカウントが必要です(LINEの場合はLINE@アカウント、Facebookの場合はアカウントの他にFacebookページも必要です)。
広告出稿という目的に限れば、最低「アカウントがあればいい」ですが、広告から通常アカウントのユーザーページ(プロフィール)を見られることも想定すると、ある程度の運用実績があったほうが印象が良いでしょう。また実際に利用していれば掲出場所や出稿後のイメージをしやすく、出稿した広告を利用してさらにプラスのアクションを取ることも可能です。広告出稿を行いたいSNSには、検討段階から登録だけしておきましょう。
※Twitterの「Twitter広告用アカウント開設方法」では、広告アカウント開設前に通常アカウントでの2~3週間の運用実績が必要の旨が記載されています。
運用実績の作成
サービスがどういうものか把握する、サービスの仕様に慣れる、という目的で実際に作成したアカウントを運用してみましょう。
テキストだけの投稿をしたら、次は画像付きの投稿、その次はハッシュタグ付きの投稿…と段階を踏んでいくと把握しやすいです。慣れてきたらその他キーワード・ハッシュタグでの検索や投稿時の位置情報の追加、タグ付け、アンケートなども利用してみましょう。試行錯誤と並行して友だちやフォロワーを獲得できれば一石二鳥です!
(Instagramはテキストのみの投稿はできませんが、ストーリーでは適当な無地の背景を選択し文字を画像化した投稿ができるので、実質テキストのみの投稿が可能です。)
セグメント検討
セグメントとは、SNS広告では広告を見て欲しい対象を絞り込むための条件のことを指します。ターゲットとしたほうがわかりやすいかもしれません。
サービスにより異なりますが、設定可能な主な条件は以下になります。
- 地域(国、都道府県、市町村、現在地からの距離)
- 性別
- 年齢
- 興味関心(あらかじめ設定されたカテゴリ、キーワード)
SNS内以外にも提携サイトなどの掲出場所を用意しているサービスでは、掲出場所も細かく設定できます。
対象があまりにも多過ぎると、適切な設定ではないと判断され掲出できない場合があります。しかし、狭め過ぎても結果が出ない恐れがあります。設定したセグメントで予測される対象リーチ数なども参考に、調整しながらの設定をお勧めします。
広告用画材準備
広告に必要な写真、イラストなどの画材を準備しましょう。プランによってはイメージ(画像)が必要ないものもありますが、訴求できるイメージがあったほうが印象に残りやすいです。設定したセグメントに効果のありそうなものを作成しましょう。例えば若年層の女性がターゲットなら、暖色系の華やかな彩色にするなど。
ただし、画像作成の際は各サービスともにイメージ内に盛り込むテキストやロゴのサイズに規定がありますので、盛り込みたい場合はよく注意してください。チェックツールは事前に利用できるものもあれば、広告作成時にしか確認できないものもあります。規定サイズを把握した上で、あらかじめ何パターンか用意しておくとスムーズです。
例:LINE クリエイティブグリッドツール
期間の設定
セルフ出稿の場合、審査を除けば即日配信が可能ですので、希望の日時で設定ができます。また、期間は長いほどインプレッション/表示回数は増え、結果として知名度向上につながる場合が多いです。
サービスによっては対象が一般消費者の場合は土日祝をターゲットに夕方〜夜間配信にしたり、対象が法人の場合は平日の営業時間帯のみ配信にするなど、曜日や時間帯で絞り込んで配信することも可能です。土日祝は広告出稿件数が多くなる傾向にあり、出稿件数が多い=混雑状態になると限られた掲出先を争うことになり、ほとんどのサービスが入札式のためクリック単価が釣り上がります。
予算の設定
費用発生のタイミング
SNS広告の費用は簡単に言うと、「クリック単価×クリック数」です。そしてこのクリック単価が、前述のセグメントや掲出する期間・タイミングによって変動します。サービスによってはあらかじめ単価の上限を設け、コントロールすることも可能です。
また、SNSに限らずWeb広告の多くは「クリックされて初めて費用が発生」します。つまり理論上は表示だけであれば費用は発生せず、無料で行えます。ただしこれまで、クリックがなく表示だけだったという話に遭遇したことはありません。掲出すればほぼ100%の確率で費用が発生します。
予算設定
クリック単価はサービス、セグメント、タイミングによって差があるため一概に平均いくらくらい、とは言えませんが、クリック1件40円〜180円くらいで試算していただけると現実的な数字になるかと思います。予算自体に下限はありませんが、例えば日予算1,000円の場合に単価100円のクリックが日付変更後3時間程度で集中すると、日予算を使い切ってしまった時点でその日の分は掲出終了となり残りの21時間は掲出されません。あまり低過ぎても例のように掲出からすぐに消化されてしまい表示時間が短くなってしまう恐れがありますのでご注意ください。
掲出の目標がインプレッション数(表示回数)の獲得なのか、クリック数の獲得なのか、はたまた誘導先での購入なのか、設定するコンバージョンによって予算規模にも差が出るかと思いますのでご留意の上ご検討ください。
ちなみに、ほとんどのサービスの支払いはクレジットカードのみ利用可能で請求書や領収書の発行が出来ない場合もありますので、利用前に請求についても確認しておくと安心です。
セルフと代理店
今回ご紹介しているSNSのうち、LINEのみ正規代理店による代理出稿となります。厳密に言うと、LINEの審査に通過すれば自分でも出稿できますが、時間がかかる上に中小規模ではほぼ通過出来ないため正規代理店へ依頼という形になります。現在はあまり公に自分で行う出稿について具体的に何が必要で、審査の判断基準は何なのかがほぼ明らかにされていませんが、急いでいる場合は正規代理店へ依頼するのが確実で最短でしょう。過去に出稿金額の下限が撤廃されたように、今後審査が緩和されセルフ化する可能性ももちろんあります。
Facebook、Instagram、Twitterはセルフ出稿が可能ですが、もし習得する時間がない、担当者を用意できない、複数媒体に出稿して結果を一元管理したい、専門家に任せたい、ということであれば広告代理店へ依頼した方が手間がかからず、かえって不要なコストをかけずに済みます。
まとめ
ネットワークに接続できるデバイスがあれば、いつでもどこでも簡単に広告を出稿できるのがSNS広告の利点です。今回紹介した4つのSNSの他にも、これから広告展開がなされるサービスが出てくる可能性が十分あります。まずはアカウントの開設から、SNS広告を始めてみてはいかがでしょうか。