Webマーケティング市場の成長は著しく、新しいソリューションの開発とともに新しい用語も次から次へと登場します。聞きなれない横文字やアルファベットの略称など、慣れるまでには時間がかかるものです。一方で変化の大きいWebマーケティング市場の中でも長きに使われている根幹とも言うべき概念や用語が存在するのも事実です。
ここではそんな絶対に覚えておきたいWebマーケティングに関する用語を42個に厳選してお届けします。理解度の深いものは飛ばしながら、理解度に不安がある用語を優先的に確認してみてください。
この記事の目次(クリックで項目へジャンプします)
Web広告に関する用語
1.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告です。画像(バナー)を使用した広告が主流であることから、バナー広告とも呼ばれます。主なディスプレイ広告サービスはGoogleが提供するGDNとYahoo!が提供するYDNです。
2.リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果上部や下部にテキストで表示される検索連動型広告です。ユーザーが入力したキーワードに基づいて表示されるため、ニーズの顕在層にアプローチできるのが特徴です。ディスプレイ広告と並んで、現在最もよく利用されるWeb広告の一つです。
3.アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は成果報酬型のWeb広告。そもそもアフィリエイトとはアフィリエイターが企業の商品・サービスを紹介し、ユーザーのコンバージョン(会員登録や商品購入など)に至った場合に、その企業から報酬を受け取る仕組みのことです。アフィリエイト広告はASPという仲介業者が間に入ることが一般的です。
4.インフィード広告
インフィード広告とは、コンテンツとコンテンツの間に表示される広告です。コンテンツの一部のように自然な形で表示できるメリットがあります。主な掲載先はSNS、キュレーションメディア、ニュースアプリなどです。
5.インストリーム広告
インストリーム広告とは、動画プレイヤーで再生される動画広告のことです。動画本編前に流れるプレロールタイプ、途中に流れるミッドロールタイプ、終了後に流れるポストロールタイプがあります。YouTubeなどの動画サイトで配信されるのが一般的です。
6.インバナー広告
インバナー広告とは、動画タイプのディスプレイ広告です。つまり、Webサイトの広告枠内で動画広告を再生することができます。デフォルトの音声設定はOFFになっていることが一般的です。
7.インリード広告
インリード広告とは、コンテンツとコンテンツの間に表示される動画広告のことです。表示の仕方はインフィード広告と似ています。インリード広告はユーザーが広告掲載箇所までスクロールしたときに、自動で再生されるのが特徴です。
8.ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、Webページの中に自然に溶け込ませる広告のことです。コンテンツの一部としてユーザーに見てもらう狙いがあります。インフィード広告、インリード広告はネイティブ広告の一種です。
9.運用型広告
運用型広告とは、予算に基づいて広告出稿場所、ターゲット、クリエイティブなどを変更しながら出稿するタイプの広告です。その対極にあるのが、購入した広告枠に一定期間出稿し続ける純広告です。
10.インプレッション
インプレッションとは、広告が表示された回数のことです。
11.コンバージョン
コンバージョンとは、Webサイトが挙げる成果のことです。その内容は目的によって異なり、資料請求の数を指すこともあれば、商品購入数を指す場合もあります。
12.リーチ
リーチとは、広告の到達率を指します。あるいは、広告が表示されたユーザー数を意味することもあります。この場合はユニークユーザー(UU)と同義です。
13.エンゲージメント
エンゲージメントは、企業・ブランド・商品などに対してユーザーが抱く愛着や繋がりを意味します。近年ではSNSにおいて、企業とユーザーの繋がりの強さを測る指標としても用いられています。Facebookの「いいね!」や、リンクのクリック数などがエンゲージメントの一例です。
Webマーケティングの効果指標
14.CPM(Cost Per Mille)
CPMとは、広告1,000回表示あたりの費用のことです。インプレッション単価とも呼ばれます。
15.CPC(Cost Per Click)
CPCとは、広告1クリックごとにかかった費用のことです。クリック単価とも呼ばれます。
16.CTR(Click Through Rate)
CTRとは、広告表示された回数のうち、クリックされた回数の割合を示す指標です。計算方法は「クリック数÷インプレッション数×100(%)」です。
17.CVR(Conversion Rate)
CVRとは、コンバージョンに至った割合を示す指標のことです。分母に使用する数値によって、CVRは異なりますが、一般的にはWebサイトのアクセス数やUU数を分母として計算されます。分子は当然コンバージョン数です。
18.CPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)
CPAとは、コンバージョン1件あたりの広告費用のことです。顧客獲得単価とも呼ばれます。計算方法は、広告費÷コンバージョン数です。
19.CPV(Cost Per View)
CPVとは、広告視聴一回あたりの費用です。広告視聴単価とも呼ばれます。主に動画広告の課金方式としてや効果測定に使われる指標です。
20.CPCV(Cost Per Completed View)
CPCVとは、動画広告の完全視聴1回あたりの費用のことです。最後まで動画が視聴された回数が計算の対象になります。CPCVが課金方式として採用されることもあります。
21.ROAS(Return On Advertising Spend)
ROASとは、広告費用に対しての売上をパーセントで表した指標です。計算式は「広告経由の売り上げ÷広告費用×100(%)」となります。ROIは利益によって広告費用対効果を見るのに対してROASは売上によって見る指標であることを覚えておきましょう。
22.ROI(Return on Investment)
ROIとは、広告費用に対して、広告経由で得られた利益をパーセントで表した指標です。ROASと混同されやすいですが、ROIは「利益」に着目した指標であることが特徴です。計算式は「広告経由の利益÷広告費用×100(%)」です。
アドテクノロジーに関する用語
23.アドネットワーク
アドネットワークとは、複数の広告媒体で形成された広告配信ネットワークに、まとめて広告を配信する手法です。アドネットワークを利用することで、広告主にとっては、複数メディアに効率よく広告配信できるメリットがあり、メディア側には、営業をかけなくとも広告収入が得られるメリットがあります。
24.DMP(Data Management Platform)
DMPとは、異なるサーバーに蓄積されている情報を一元管理するためのプラットフォームです。DMP誕生によって、マーケティング施策の効率化が図られ、ターゲティングの精度も向上しました。外部サイトが保持するユーザーデータを管理するオープンDMPと、自社データを管理するプライベートDMPの2種類があります。
25.SSP (Supply-Side Platform)
SSPとは、メディア側が広告枠の収益最大化を目的に使用するプラットフォームのことです。DSPと対になって働くシステムです。DSPのうち、最も収益率の高い広告を自動選択・配信するのが特徴です。
26.DSP(Demand-Side Platform)
DSPは広告主の広告効果最大化を目的として使用されるプラットフォームです。SSPの広告入札リクエストを受け取ると、各DSPはそれぞれ広告主の選定を行います。そして最高額で入札した広告主の情報をSSPに送るという仕組みです。
27.RTB(Real Time Bidding)
RTBとは、SSP-DSP間で行われるような、1インプレッションごとにリアルタイムの入札を行う仕組みのことです。広告枠を少しでも高く売りたい媒体側と広告費用をなるべく抑えたい広告主の利害関係を一致させる取引形態となっています。
28.オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングとは、個人を特定しない「人」データを活用したターゲティング手法です。ユーザーの属性や興味・関心に合った広告の配信をする際に用いられます。
29.アドエクスチェンジ
アドエクスチェンジとは、複数の広告枠を交換できる仕組みのことです。アドエクスチェンジによって、インプレッションベースの入札方式に統一されました。広告主の需要とメディア側の共有のバランスによって、広告枠の価値及び価格が決定されます。
SEOに関する用語
30.SEO(Search Engine Optimization)
SEOとは、検索エンジン最適化を意味します。より具体的には、自社サイトページを上位表示させて自然検索からの流入を増やすために取られる施策のことです。検索エンジンのガイドラインに沿った正しい方法をホワイトハットSEO、ガイドラインに反した不正な方法をブラックハットSEOと呼びます。
31.アルゴリズム
SEO対策においてアルゴリズムとは、一般的に検索表示ランキングアルゴリズムを指します。アルゴリズムの複雑な計算手順によって、Webページのランク付けがされているのです。ちなみにGoogleのランキングアルゴリズムはハミングバードと呼ばれています。
32.被リンク
被リンクとは、自分が管理するサイトやブログに向けられたリンクのことです。被リンクには内部リンクと外部リンクの2種類があります。内部リンクは自分が運営するメディアの中で送るリンク、外部リンクは他者のメディアから送られるリンクを意味します。被リンクの数や質はGoogleの検索アルゴリズムの中でも最も重要視されている要素の一つです。
33.検索クエリ
検索クエリとは、ユーザーが検索ボックスに打ち込む語句のことです。検索クエリからユーザーの検索意図や悩みを想定してキーワードやコンテンツを考案することは最も重要なSEO対策の一つです。
34.ビッグキーワード
ビッグキーワードとは、検索回数の多い1単語キーワードです。「東京」や「家電」などが一例です。こういったビッグキーワードでWebページを検索上位表示できればたくさんの人に見てもらうことができる一方で、競争率が激しいため、難易度が高い特徴があります
35.スモールキーワード
スモールキーワードとは、検索数の少ないキーワードです。検索される回数が少ない分、検索上位表示されやすくなります。SEOやリスティング広告では、スモールキーワードがよく用いられます。
36.ロングテールキーワード
ロングテールキーワードとは、ビッグキーワードの後に他の単語を組み合わせた複合的なキーワードです。複数の単語にする分、競合が少なくなり、検索ニーズも具体化するためコンバージョンにつながりやすいと言われています。
アクセス解析に関する用語
37.アクセス解析
アクセス解析とは、自サイトのユーザーの行動を分析することです。自サイトの課題を見つけ、それを改善することでコンバージョンを増やすのがアクセス解析の目的です。
38.PV(Page View)
PVとは、Webページが開かれた回数のことです。ウェブサイトの閲覧数を測る上で最も一般的な指標となります。あくまで閲覧回数を表すものであり、訪問者数を表すものではありません。
39.セッション
セッションとは、Webサイトにアクセスしてからユーザーが行う一連の行動を意味します。サイト訪問から離脱までで1セッションと記録されます。1セッションで1ページのみ閲覧することもあれば、複数ページ閲覧する場合もあります。人によっては1日のうちに何度も同じサイトにアクセスしますが、目安として30分以上時間が経過している場合は新たなセッションとしてカウントされます。
40.ユニークユーザー(Unique User)
ユニークユーザーとは、特定の期間内にWebサイトを訪れたユーザー数のことです。1日単位・1週間単位・1か月単位などでユニークユーザーはカウントされます。同一期間内に同じユーザーが何度もそのサイトを訪れたとしてもユニークユーザー数は1のままです。一方でPVはその都度増え、セッション数も場合によっては増えていきます。
41.直帰率
直帰率とは全セッションの中で、1ページのみ閲覧されたセッションの割合です。例えば全1,000セッションのうち、200セッションは1ページ目の閲覧でユーザーが離れた場合には、直帰率は200÷1000×100=20%となります。
42.離脱率
離脱率とは全PVの中で、セッションの最後のページになった割合です。例えば、全10,000PVのうち、ページAを最後にセッションが終わった回数が4,000回だった場合、ページAの離脱率は40%となります。
まとめ
Webマーケティングに関する重要用語の中から、さらに42個に厳選して紹介しました。理解できていないものはいくつあったでしょうか。こちらで紹介した基礎的な用語が理解できていないことには、社内外の会話についていけなかったり、話の内容を誤って認識してしまったりする恐れがあります。自分の言葉で説明できるようになるまで理解を深めていきましょう。